2020年が明けて、私たちの生活スタイルは一変しました。
この2年で、学校では子どもに起こっている問題が増えてきました。
それは、これまでとは違った形で表れているのです。
残念ながら歓迎できるようなことではなく、子どもの成長に悪影響を与えるのでは!と危機感すらおぼえます。
今回は、『学校で子どもに起こっている問題とは!?この2年で感じた6つのこと!!』という内容で書いています。
教師として、学校で感じたことをそのまま綴っていますのでご理解ください。
では詳しく見ていきましょう。
学校で子どものコミュニケーション力が低下している?

この2年で、休校、オンライン、マスク着用、ソーシャルディスタンス、このような要因でコミュニケーションが低下したと感じています。
そもそも「コミュニケーション」とは、
社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと
とあります。
「コミュニケーション」って、よくキャッチボールにも例えられますよね。
思ったことや感じたことを、言葉や文字などの「言語」、表情や身振りなどの「非言語」を使って、相手に投げたり、相手から受け取ったりしながら、お互い分かりあっていく。
なぜ、コミュニケーションが低下していると感じるのか、詳しく見ていきましょう。
必要以上に声を出さない
この2年、私たちの生活ではマスクが欠かせないものとなりました。
それは、集団生活である学校でも必ずしなければいけません。
そのマスクが、じつはコミュニケーション低下の要因になっているんです!
理由は・・・ 必要以上に声を出さなくなった から!
マスクは、当たり前ですが口を覆います。
口を覆うので、話しずらいし、相手の声も聞きずらいですよね。
そうすると、(必要以上に話さなくてもいいや)と口数が減ってきます。
これは子どもだけでなく、大人もそうではないでしょうか。
そしてこれが、あいさつにも影響を及ぼしています!!
自ら「おはようございます!」と元気なあいさつをするよりも、会釈が多くなった印象です。
会釈が悪いわけではないですが、声を出したさわやかなあいさつは大切ですよね。
同時に、あいさつすらしない子どもも増えました。
声を出すこと、目を合わせることすら面倒くさいのでしょう。
なんて寂しい世の中になってしまったんでしょう・・・
マスクで表情がわからない
先ほど「マスクは口を覆う」をいいましたが、実際には口だけでなく、鼻からあご下まで覆っていますよね。
となると、見えている部分は上部の目だけ!
『目は口ほどにモノを言う』
有名なことわざがありますが、目だけではどんな顔立ちでどんな表情をしているのか、わかりにくいですよね。
嬉しい・悲しい・寂しい・楽しい・など感情を表すときも、表情が読み取りにくいので、相手がどう感じているのかわからないことも多いですね。
結果的に、
無表情で、どんなふうに思っているのかわからない
積極的にコミュニケ―ションを図ろうとしない
そんな子どもが多くなったような気がします。
学校にいるのにね・・・
なんだか寂しいですよね。
中学校教師が感じる子どもの自己肯定感の低下の問題

自己肯定感の低下は、前述した「コミュニケーションの低下」からつながっています。
コミュニケーションが上手くいかないことで、「こんな自分はダメだ」と殻にこもるようになり、自己肯定感が低下していきます。
「自己肯定感」とは、
ありのままの自分を肯定する感覚のこと
*他者と比較することなく、ありのままの自分自身を認め、尊重し、物事を前に進めるための原動力になる。
ちなみに、自己肯定感の高い人の特徴は、
- 主体性がある
- 自分に自信があり、行動や思考が前向き
- 失敗を恐れない
教師は、子どもたちの自己肯定感を高めるために、日々教育活動に励んでいるのにもかかわらず、低下している・・・。
なぜ、どんな場面でそう感じるのか、具体的に見ていきましょう。
学校行事の減少
学校は、もちろん勉強をする場所ですが、さまざまな学校行事もありますよね!
「勉強はキライだけど行事は楽しい~♪」という子もたくさんいます。
子どもたちが好きな学校行事といえば…
- 遠足
- 運動会(体育祭)
- 文化祭
- 学習発表会
- 合唱コンクール
- 球技大会
- 修学旅行(宿泊学習)
- レクなどの学年行事
- その他の課外活動など
全部、子どもたちがワクワクするような行事ばかりです!
学校行事では、教師と子ども、子ども同士で絆が生まれたり、一緒に共有して楽しむことで所属感も生まれます。
勉強ができない子が行事で活躍して、みんなから「すごーい!」と言われたり、協力しながら取り組むことに楽しみを覚えたりもします。
学校行事がきっかけで、「自分は認められている」「自分にはこんなことができる」と、自分のことを好きになるきっかけでもあるんです!
だから 自己肯定感が上がる!
そう!学校行事ってすごいパワーを持っているんです!
しかし、先ほど挙げた学校行事のほとんどは実施されませんでした。
この2年の間で、子どもたちの活躍の場がほぼ無くなっています。
ほんと、悲しい現実です😢
できる限り実施できる方法を考え、何としてでも行事はやった方がいいんです!
授業やクラスでの交流場面の減少
学校行事の大切さはわかっていただけたでしょうか。
子どもたちにとっての社会的集団は、学校のクラスですが、そこで集団行動の楽しさや他人との付き合い方などを覚えていきます。
クラスの中で、そして授業の中で、自分のことや他人の意見を参考にしながら交流していきます。
「自分のことを知ってもらった、認めてもらった」という嬉しさや、
「〇〇さんって意外と▲▲だった!」と相手に興味をもつきっかけにもなります。
この2年で、「真正面で向き合わない」「交流学習は控える」「声はできる限り小さな声で」など、安易に話し合い活動ができなくなりました。
話し合い活動や交流する場面が減っていることで、子どもたちの自己肯定感を高める機会も少なくなりました。
いま学校で問題となっている子どものネットやスマホ依存

ネットやスマホ依存の子どもたちも増えてきました。
(今に始まったことではないんじゃないの?)と思われる方もいると思いますが、やはりこの2年で増えています。
子どもたちが自分自身で「自分はネット依存、スマホ依存だと思う」と言ってくる子や、学習帳に書いてくる子もいます。
私が働いている中学校では実際に「スマホを夜0時まで触っている」という子は多く、2時や3時、5時までという子もいます。
そのような子は、授業中に居眠りをしたり、授業に集中できなかったりで、いいことは一つもありません。
完全に生活リズムを崩し昼夜逆転している子どもも多いです。
「オンラインゲームで課金して大変なことになった」と、相談をしに来る保護者もいました!
さまざまな問題を引き起こすネット、スマホ依存。
どうしてそうなってしまったのか、具体的に見ていきましょう。
パソコンやスマホを所持する子どもが増えた
この2年の間に、休校が何度もありました。
子どもが在宅する時間が長くなることもあり、パソコンやスマホを所持する子どもが増えてきました。
今や小学生がスマホを持っていても珍しくありません。
ひと昔前には考えられなかったことですよね!
大人でもそうですが、新しいものを持ち始めると夢中になってそればかりに興味がいってしまいますよね!
勉強そっちのけで、ネットゲームやSNSに夢中になる子どもたちはとても多いです。
本来やるべきことができなくなったり、周りが見えなくなったりしないよう、保護者の方は、その辺しっかりと管理をしてほしいですね。
諸活動の制限と過度な外出自粛
学校では「部活動停止」という期間もありました。
外部の活動(習い事)においても、活動停止が何度もあったり、停止期間が長くなることもありました。
諸活動が制限され、過度な外出自粛。
必要な措置だと思いますが、その結果、子どもたちが家にこもり、ネットやスマホをさわる時間が多くなったのも要因の一つです。
最悪なのは、SNSで他人を攻撃したり誹謗中傷を浴びせるなどの問題が増えたこと。
コミュニケーションが図れず、相手の気持ちを考えない行動からきています。
顔が見えない、匿名が使えることから、SNSでのトラブルは本当に多いんです!
まとめ

今回は、『学校で子どもに起こっている問題とは!?この2年で感じた6つのこと!!』の内容で書きました。
このような問題があることを、
教師は学校で、親は家庭で子どもたちに教えていくことが必要です!
そして、教えた上でこれからどうしたらいいのか!?
今回挙げた問題と原因を、子ども・親・学校(教師)、それぞれの立場でこのように考えてみてはどうでしょうか!
- 〈子〉「声は相手に聞こえるように」を意識し、きちんとあいさつをする。
- 〈子〉目を見てうなずくなど無表情にならないよう気をつける。
- 〈学校〉行事は実施できる方法を考え、可能な限り実施する。
- 〈学校〉交流場面を設け、できる方法を考える。
- 〈家〉パソコン・スマホは親がしっかり管理し、制限をかけたり約束をする。
- 〈家〉家での有意義な過ごし方を提案したり、家族間でコミュニケーションをとる。
子ども・親・学校(教師)がそれぞれの立場で意識して行動すれば、
現在学校で子どもに起こっている問題が、今より減少していくはずです!
今のような生活が、この先どれぐらい続くかわかりませんが、いつの時代も『子は宝』です。
将来の日本を担っていく今の子どもたちに大人ができることは何なのか、考えるきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。!(^^)!